知って得する「防水」知識<3>

こんにちはナオキです。

知って得するシリーズでは腕時計のコアな知識に関してご紹介しています。
前回まで「防水」について2回にわたって書いてきましたが、今回で完結です!
これを読んでいれば、いずれ腕時計メーカーの営業担当よりも詳しくなってしまうかもしれません。。


さて、前回までは気圧表示、日常生活上での使用定義をお話して来ましたが、今回はJIS規格で定められる潜水用時計についてフォーカスします。

まずJIS規格とは「日本工業規格 Japanese Industrial Standards」のことで、日本の主務大臣が定める工業製品については、この規格を必ず守らなければならないというルールが工業標準化法という法律で定められています。


腕時計の場合は、ボンベを背負って水深100M以上潜水する場合にも着用できる「潜水時計」を製品とする場合はJISB7023の規定をクリアできなければ販売してはいけないというルールがあります。


さらにJISB7023では、潜水方法と水深によって1種と2種に規定が細かく分かれています。(下図)


このうち1種で定めるスキューバダイビングとは、圧縮空気が入った酸素ボンベを背負って海に潜る一般的な潜水です(レジャーの潜水もこれです。)

一方2種の飽和潜水とは、ヘリウムなどの不活性ガスと酸素の混合気体を体内に飽和しながら潜る潜水方法で、
水深200M以上の深海で作業をするプロの潜水士が行う潜水方法です。

なぜヘリウムガスの混合気体を吸わなければならないかというと、通常の気圧下では人の血液は空気中の酸素しか取り込まないのですが、水深200Mの超高圧環境下では、酸素以外にも空気中に存在している窒素や二酸化炭素も体内に取り込み始めてしまいます。
すると、体内が慢性的な酸欠状態に陥って、命を脅かす潜水病にかかってしまいます。

この潜水病を防ぐために、血液中のヘモグロビンとはまったく結合しない不活性ガスであるヘリウムと酸素の混合気体を吸引しながら潜るというわけです。


ちなみに2種規定の飽和潜水用腕時計には、水深上昇時に減圧によって膨張するヘリウムを抜くためのバルブをつけなければならないという規定があるため、プロフェッショナル用の潜水時計には必ずヘリウムエスケープバルブがついているんですね。


そんなJIS規格で定められるている規定は、単に防水性だけではなく、水中の厳しい環境下でも腕時計本来の機能が最大限活用できるように、
1.判読性 2.耐磁性 3.耐衝撃性 4.耐塩水性 5.水中作動性 6.操作部防水性 7.耐熱衝撃性 8.加圧防水及び強度 9.耐浸漬性 10.耐ヘリウムガス性 11.付属品の耐外力性


という11項目について、定められた厳しい検査規定をクリアしなければなりません。


また構造上も、腕時計の風防(ガラス)が捻じ込み式でなければならなかったり、回転ベゼルには1分目盛りを表示し、さらに5分ごとの目盛りは強調しなければならなかったりと、かなり細かな規定もあるんですね。



そんな厳しい検査規定、構造上の制約をクリアして初めて販売が許可される、JIS適合の潜水時計を発売することは、腕時計メーカーにとっては大きなステータスです。

逆に言うと、JIS適合の潜水時計モデルを発売しているかいないかによって、メーカーの技術力がある程度わかってしまうとも言えます。

もちろん技術力と品質を強みにする我々ケンテックスはもちろんJIS適合の潜水時計を作っています!
それがJIS1種適合300M防水のマリンマンスーパーダイヴです。





機能追求から生まれた外見のタフさは、まさに本物志向を求め続けるケンテックスの結晶です。

ぜひ一度HPでご覧ください。



以上、長々と3回にわたって防水について語ってまいりました!
お付き合いいただいた皆様ありがとうございました!!

By ナオキ